本屋時々要観察(祐希君の心情日記)

 

「ねぇ、ちょっと本屋寄って行っていい。」
「あ?あぁ、アニメージャな。」

あ、今日は「またアニメか?よくそんなもんばっかりに夢中になれんなぁ」とか言わないんだ。

 

ガー。 いらっしゃいませー。

 

「じゃ、お前そこで読んでていいから。俺参考書見てくるから動くなよ?」
「うん。」

見て来るって言ってなんで真っ直ぐレジに向かうんだ。
もしかしてバイトの女の子と参考書にについてとか語ってたら
意気投合しちゃってまた会いに来ちゃったとかってそんなオチですか。
ていうかだったら俺って立場どうなんの。姑?じゃないか。元カレ?
本当にそうだったら絶対影から精神的に攻撃しまくるけどね、俺。

 
そう思って睨みながら見てたら話しかけたのはおばちゃんだった(熟女趣味か)←違う。

 

「すいません、順林堂の一問一答式問題集って置いてますか。」
「すいません、当店にはちょっと…」
「取り寄せられます?」
「はい、ではこちらの用紙にお名前と住所と…」
「はいはい」

なんだ注文したかったのか
ていうか、全く勉強熱心だよね要って。
ま、人の好みは人それぞれっていうし。
でも俺だったらアニメ捨てて勉強しろって言われても死んでもやらないだろうけど。
おっと、そんなこと考えてたら要がこっちに歩いてきた。まずいまずい。

 

「おい、もう買っちまったぞ。早くしろ。」
「はいはい。今レジ持ってくから。」
「なるべく早くしろよな。」

 
何気に目ぇ離してると浮気される心配がありそうだねこりゃ。

 

「お待たせ。」
「よし、帰るぞ。」

 
てくてくてくてく

 

 
「ねぇ、要。要って熟女趣味あるの。」
「はぁ!?ねぇよ!」
「でもさっきレジのおばさんに話しかけてたじゃん。てっきり浮気されたかと思っちゃったよ僕。」
「いきなり僕とか言うなぁ、気色悪い。てか、レジのおばさんにすら話しかけちゃいけないっておかしいだろ。」
「いいや、おかしくないね。きっといきなり「すまない祐希。これは愛の選択なんだ!」とか言って
おばさんとどっかへ逃避行しちゃうくせに。」
「しねぇよ!そんなこと!!さっきから何狂ったことばっか言ってんだお前は!……待てよ、もしかしてお前妬いてる?」
「こんな尻軽な恋人持ってだれが妬かずにいられましょうや。」
「俺は尻軽じゃねぇっ!……でも、ありがとな。」
「何が?」
「妬いてくれて。」
「ま、自覚してないからまたやるんでしょうけど。」
「え、ていうかあれ浮気じゃねぇだろ絶対。」
「いや、要は惚れやすいし誰にでも足開きそうだから心配で心配で。」
「俺は淫らな人妻か!ていうか基本的に何で“何かされる”方なんだ!?ていうかいい加減にしろ!!」
「ま、取りあえず。春と悠太と千鶴とまさきと俺以外と喋らなきゃいいから。」
「は?何だソレ。俺生徒会やってんだからまず無理に決まってんだろ。」
「や、要は目を見つめられるとすぐ恋しちゃうから。」
「何だその乙女具合!おかしいだろ!?淫らな人妻だけど純粋な愛を求めてる乙女って一体…」
「人とはそういう生き物なのですよ。」
「そんなもんか。」
「うん。」


 
 

まぁ、だから率直に言うとさ、誰にも会わせずに閉じ込めときたくなる位可愛いってことですよ。
なんて絶対口に出して言いませんけどね。

 
 

 

それじゃつまんないから。
君の心を縛り付けて絶対、逃がさない。

 

 



あとぐぁーき。

相変わらずだが短い。何故なのか、何故なのか。
3分25秒考えても答えはでませんでした。もっと努力が必要ですね。
あーあ。長いのが書きたい……。

ていうかこれじゃ祐希が嫉妬の化物だ…(ひぃ)。
すみませんでした(毎回言ってるような気がする)。                                 

2006/10/19 しらのたまこ

もどる