ただ何となく書きたかったサラリーマンパラレルを書きつけただけのものです。

続くかは正直作者自身わかりません。

しかも題名まで決まっておりません。

しかも設定が(特にあきら君が)どこか穂稀荘とかぶっております。

しかもサラリーマンパラレルなのに入社した会社名までまだ決めておりません(第一話執筆後現在)。

しかも、結局要が誰になびくのか(言い方悪っ)もまだ決めてません。

それでもよろしければ、どうぞ。

 

 

設定

 要   :今年からめでたく新入社員の男の子この話は彼の視点から展開する。
      短気で怒りっぽいが仕事は上手い。色んな人に迫られて正直一番苦労をする人。

祐希  :バイト男。いつの間にか一人暮らしの要の家に転がり込んでくる。(かなり要好き)
千鶴  :会社に同期で入社した同僚。お調子者。(密かに要好き)
悠太  :いつの間にか同期で他の部署に居た人。祐希とそっくりで初対面かなりあせる。
 春   :近くの喫茶店で働いている要の友達。知らぬ間に悠太といい雰囲気に。
 東   :会社の先輩。優しく熱心に要を指導してくれる。が、その真意は謎で、要は何となく苦手としている。
あきら   :よく東が昼休みに行く洋菓子屋のパティシェ。東とは学生時代からの付き合い。
      親友である二人の漫才のようなかけ合いは絶妙。

                                           ・・・・・・・その他周りの人。

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そもそも、未来ある社会人一年生な癖にこの先やりたいことも、
ましてや今やりたいことだって、大してありゃしない。

 

 


いつだって、力を出せばそれなりの結果が出てくるだけの単純なサイクルの中で回り続けてた。

 

 

だってその方が嬉しいんだろ?


 

両親も、友達も、教師達も皆そうだった。
きっとこの先だって今までとそう大して変わらない。
そうやって適当に生きて、何となく結婚して、いつの間にかじじぃになってる。

 

 
それでいいんだ。


 

 


でも、そんな無気力な自分自身が、俺は何より大嫌いだった。

「今日からこちらの部署でお世話になります、塚原要です。」

 
「同じく、橘千鶴でーすっ!盛り上げとか、得意なんで、歓迎会でも親睦会でも忘年会でもどーんと使ったって下さい!!」
 

「こらっ出だしから調子乗りすぎなんだよお前は!!」

 

(ははははは。面白いなーお前。)


 

 
コイツらしいコミカルな自己紹介で目の前のデスク群の人間達が笑いを浮かべている。
俺の隣にいるコイツ、つまり橘千鶴はその様子にご満悦なようだ。全く。

 

コイツとはなるべく関わりたくない。
俺はこの手の人間には必ず手が出てしまうか、口が出てしまうタイプなのだ。
まぁ、世間一般でいうツッコミタイプ、というヤツか。
そうやってペースに巻き込まれて俺までこんなおめでたい頭したヤツだとは思われたくないしな・・・・
俺、塚原要は自己紹介も早々に自分の担当デスクに支給された物品を並べる。
よし、何とかデスクはアイツの隣にはならなかったな。
入社試験で顔を合わせて、以降、しつこく俺に構われたがってくるアイツを引き剥がすのは至難の業だ。
まぁ、これで当分は身の安全は保障されるな、などと考えていると、
丁度自己紹介前に電話がかかり、出払っていた隣の席の社員が帰って来たようだ。

 

 

 

 
「あれ、君が今年の新入りかい?」

 
整った顔に眼鏡をかけている、温厚そうでいて爽やかな好青年という感じだ。
 

「はい、塚原です。よろしくお願いします。」
 

「塚原君ね。よろしく。俺は東晃一です。ウチは他の部署と違って覚えることはそれほど多くないから大丈夫だと思うよ。ただ、誠意を失わなきゃね。」
 

「はぁ。」

 
入って一日目だから何とも言えないが、彼のデスクの上にある企画書や書類の数々、
これが果たして覚えることが少ないと言えるのだろうか。

 

 

 

 

 


まぁ、何とかなるだろ。

 

 
取りあえずその日は主な内容とその他雑用(コピー、FAX他)の説明で終わった。
新入社員歓迎会は10日にあるとかで、今日は取り合えず帰っていいよ、とのことだった。


新生活が始まる際、上京、というほどの距離ではないが、
少なからず実家からは距離があるアパートで一人暮らしを始めた俺は、
飯を食う、寝る、以外の役目しか果たさない寂しい自室へと帰ることにした。


飯は・・・・めんどくせぇしコンビニでいいか。
自炊の方が安上がりなのは当然だろうが、いかんせん気だるさの抜けない体で料理をする気にもなれない。
はぁ・・・・・。
未来ある社会人一年生(いささかしつこい表現だ)が出社一日目からこんなんでどうする、という話だ。
適当に弁当でも買って帰ろ、とまだ少し寒い春の夜風に当ったスーツの肩を揺すると店内に踏み込んだ。

ピッピッピッ・・・

 

 

機械的に動くレジの動きをぼんやりと見つめていると

 

「・・・・さん、お客さん、温めんの、ちょっと、聞こえてんの?」

 

店員の声も耳に入っていなかったようだ。

 

 

「あ?あ・・・電子レンジね、お願いします」
 

「お客さん、・・・・もしかしてさっきフラれたとか。」
 

「はぁ?いや、別に。フラれたワケじゃねぇけど。」

 

 

 

何だコイツ。
いきなりカンケーねぇ話ふんなよなぁ。
ていうか、何でもいいから早く温めろよ、弁当を。


 

 

 

「なら、いいんですけど。」

 
どうもコイツは見た目からして俺と同い年かその前後らしい。
何を楽しみに生きているのかパッと見では絶対に理解出来ないような切れ長だがボーっとした瞳。
特に手入れもしていなさそうだが指どおりの良さそうな綺麗な髪。
掴みどころのない間抜けな喋り方はせっかちな俺としては少々腹立たしかった。

 

 

「はい、658円ね。」

 
「ん」

 
「あのさ」

 

 


 

まだ何かあんのか。

 

 

 

「お客さん、何でそんなに辛そうな顔してんの」

 

 

 
え?

 

 

「ねぇ、何で。何がそんなに辛いの。・・・・なんか、そんな顔されると妙に気になるんですけど。」

 

 


何なんだよいきなり。

 

 

 

 

「別に・・・・・・なんも辛く、ねぇよ。」

 

 

 

 

何でそこで答えに詰まってんだよ、俺。

どこか抜けているようだったコイツの瞳がやけに鋭くなって俺に突き刺さった。

 

 

 

「まぁ、いんですけど。はい、これ、お弁当ね。」

 
「お、おぉ・・・・て、あちっ!」
 

「あら、もうお客さんたら、おっちょこちょい〜」
 

「うるせーな!」
 

「ありがと〜ございました〜」
 

「〜っ!二度と来ねぇかんな!」


 

 
自動ドアが音を立てて開くのすらムカついて蹴っ飛ばしたくなる気分だった。


何なんだ、アイツ・・・・


何故か顔が熱くなって鼓動が速くなる。


何で、こんな・・・・


きっと、アイツの態度に頭に血が上ったんだろう、そう、思いたかった。


二度と来ねぇ、なんて言っちゃったけど・・・あそこが一番近い店だしな・・・・

 

 

 

 

 

きっとまた明日にでも顔を合わせるはずの名前も知らない青年の顔が暗い夜空に浮かんで、また蹴っ飛ばしてやりたい気分になった。

 

 

 


 

 

こっそり。

非常にどうでもいいんですが・・・白乃はあきらくんにどうしても菓子職人になって欲しいみたいです。

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